チェック制度50人未満への義務化に議論 第3回メンタルヘルス対策検討会

ストレスチェック制度の施行から7年が経過した。産業労働分野におけるメンタルヘルス支援のルール作りはどうあるべきか──「第3回 ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」が、5月31日に厚生労働省を事務局として開催された。

今回までの3回は、本格的な議論に入る前のブレインストーミングという位置付けだ。約20名の構成員が各自の意見を述べた。論点は検討会の在り方や制度の評価、など多岐にわたった。

特に意見が分かれたのは、対象範囲の拡大についてだ。現状、ストレスチェック制度は従業員50人以上の事業場に対して実施を義務付けている。人的資源の不足やプライバシーの保護などが懸念される中小零細事業所に現行制度の実施内容をそのまま広げるのは難しいとの認識が大勢を占めた。一方で、対象範囲の拡大を前提に議論すべきとの主張もあった。義務化されたことによる最大の功績は経営者・従業員ともにメンタルヘルスの意識付けが進んだことであるというのが根拠だ。いずれにしても中小事業者の実態に合わせた運用が必要であるとの考え方は共有しているようだった。

ストレスチェック制度の導入後に精神疾患系の労働災害申請および認定が過去最高を更新していることから、効果を疑問視する声もあった。反論として、申請の増加はメンタルヘルスの意識付けが進んでいる証拠であり、むしろ好ましい結果であるという見方を複数の構成員が示した。

次回以降は、より具体的に各論について議論を交わす予定だ。特に50人未満の事業場への義務付けについて焦点を当てることで合意があった。第4回は6月24日(月)の開催となる。

50人未満の事業所への公的なメンタルヘルス対策として、無料で利用できる地域産業保健サービス(地さんぽ)がある。しかし地域によっては予算や人員などの資源が足りておらず、充分なサービスを提供できていないとの証言もあった。官民ともに効率的なメンタルヘルス対策が求められる中、心理職の活動領域は広がっていくのだろうか。



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