インターネットの使いすぎやイライラを感じるなどの不適切使用が、精神病症状や抑うつのリスクを高める──国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の成田瑞室長らの研究グループが明らかにした。本研究に関する論文は6月3日、オックスフォード大学出版局が運営する統合失調症の査読付き研究誌Schizophrenia Bulletinにオンラインで掲載された。
同センターのホームページによると、これまでの研究でインターネットの不適切使用とメンタルヘルス不調の相関は示唆されているものの、厳密なデータ解析によって因果関係を示したのは初めてだという。
研究は2002年から2004年に生まれた未成年3171人を、因果推論の手法であるg-formulaによって解析。インターネット使用により「イライラする」「学業・家族や友人関係・睡眠などに支障が出る」「時間を使い過ぎる」「使い始めるとやめられない」などの不適切使用が精神症状と抑うつのリスクを高めることを示した。例として、12歳時におけるインターネットの不適切使用は、16歳時の精神病症状を1.65倍、抑うつを1.61倍に増加させたという。抑うつのリスクは女性の方が大きいことも示唆された。
出典:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター│思春期におけるインターネットの不適切使用が精神病症状および抑うつのリスクを高めることを確認
https://www.ncnp.go.jp/topics/detail.php?@uid=j9KAAvLgVWnXmFfT
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