PTSDの仕組み解明に一歩前進 不安が脳に与える影響を検証

持続的なストレスを受けると、脳の扁桃体-海馬領域が萎縮する──東北大学加齢医学研究所の領家梨恵非常勤講師(新潟医療福祉大学助教)の研究グループが、ラットを用いた実験で明らかにした。論文は米国の生物学的精神医学会誌Global Open Scienceのオンライン版に6月13日付で掲載されている。

研究では、ラットに複数のストレスを与え、脳形態解析を実施。ストレスを受けた場所でラットが動けなくなる度合いと脳の関係性を調べた。長い時間動けなくなる個体ほど、扁桃体-海馬領域の体積が減少していたという。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)治療には認知行動療法の一種である暴露療法やEMDR法などが有効とされている。しかし発生過程の生理学な仕組みは明らかになっておらず、治療にかかる手法や要する期間には個人差が大きい。トラウマの脳内メカニズムについての研究が進めば、特定の脳領域をターゲットにした効果的な治療ができるようになる可能性がある。

Multiple Stressors Induce Amygdalohippocampal Volume Reduction in Adult Male Rats as Detected by Longitudinal Structural Magnetic Resonance Imaging
https://www.bpsgos.org/article/S2667-1743(24)00047-8/fulltext

最新研究
シェアする

最新情報はメルマガで!
 

心理職ジャーナルでは、記事の更新情報やイベント、お知らせなどをメールマガジンで配信しています。メールアドレスを入力するだけなので10秒で登録完了できます。不要になったらいつでも退会OK。お気軽にご登録ください。



メールアドレス


コメント

タイトルとURLをコピーしました